おはようございます。
明石市の司法書士川村です。
相続による不動産の名義変更のご依頼を頂いた依頼者さんから検認後に遺言書を預かりました。
遺言書は不動産の名義変更を申請する時に法務局に提出するのですが、自筆証書遺言の場合は、とくに法律に定められた方式で書いてあるか問題になります。
遺言の方式に欠陥があると無効になってしまうのです。
おそるおそる遺言書を見てみると・・・
①全文の自書②日付の自書③氏名の自書④押印
全て問題ありません。
方式は問題なかったのですが、登記手続き上、1点気になるところがありました。
遺言による登記をする場合、遺言書に記載された不動産がきちんと特定できるかが問題になります。
登記上の不動産の表示を記載しておけば全く問題ないのですが、そうでない場合は、どの物件なのか明らかでないといけません。
今回の遺言書には、「自宅を〇〇〇〇に相続させる。」と記載がありました。
このような記載の場合は、住所地の建物とその底地と特定できるように思いましたが、今回の場合、建物の底地以外にも何筆か隣接する敷地がありましたので、それらの特定ができていません。
そのため、遺言書だけで全ての不動産の相続登記ができないと判断し、遺産分割協議書を作成して相続人全員に署名と押印を頂きました。
ご自身で遺言書を書かれる場合は、方式や不動産の記載などきちんとしたものを作らないとせっかくの遺言書が使えないということもあります。
そういった心配がある場合は公正証書遺言という遺言書の作成をお勧めいたします。
以上、遺言書のおはなしでした。