こんにちは、あうる司法書士法人の川村です。
先日12月23日に、神戸市のグループホーム連絡会にて講演会の講師を務めさせていただきました。
テーマは「成年後見制度の基礎知識」。
グループホームの管理者様たちが集まる場ということもあり、非常に熱心に耳を傾けていただきました。
現場ではすでに後見人と関わっている入所者様も多く、質疑応答では具体的な関わり方についての質問が数多く寄せられました。今
回はその講演内容を振り返りつつ、グループホームの現場で役立つポイントをまとめます。
講演では、まず制度の全体像として「法定後見」と「任意後見」の違いからお話ししました 。
グループホームの入所者様の場合、すでに判断能力が不十分な方を支援する「法定後見」を利用されているケースが多いかと思います 。
現場の皆様に特にお伝えしたかったのは、後見人が「できること」と「できないこと」の線引きです。
後見人は主に、ご本人に代わって「法律行為」を行います。
財産管理: 収入の管理や、施設費用・医療費などの支払い 。
身上保護: 介護保険サービスの契約、介護施設への入所契約、病院への入院手続きなど 。
契約の取り消し: 不要な訪問販売や通販の契約を取り消すこと 。
ここが現場の皆様との連携で重要なポイントです。
事実行為: 後見人は「家事」や「介護」といった事実行為そのものは行いません 。
一身専属的事項: 婚姻、養子縁組、遺言などは本人のみに属する権利であり、後見人は行えません 。
保証人: 施設の入所時などに後見人が保証人になることはできません 。
医療同意: 手術や延命措置など、医療に関する直接的な同意権は現在の法律では後見人にはありません 。
講演では「後見人とどう連携すればいいのか」という質問が多く出ました。
たとえば、「入所者様が亡くなった後の手続き」についてです。
原則として後見人の業務はご本人の死亡によって終了します 。
しかし、親族がいない方などの場合、亡くなった後の入院費の支払いや葬儀などの「死後事務」が課題となります。
こういった事態に備え、お元気なうちであれば、任意後見契約とあわせて「死後事務委任契約」を結んでおくことで、亡くなった後の事務処理をスムーズに任せることが可能になります 。
グループホームの入所者様が自分らしく安心して暮らすためには、現場を支えるスタッフの皆様と、法的に守る後見人とのスムーズな連携が不可欠です。
「この入所者様に後見人が必要なのでは?」「後見人とどこまで話をしていいの?」といった疑問や不安があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
今回の講演が、グループホームにおけるケアの質の向上、そして入所者様の権利保護の一助となれば幸いです。
あうる司法書士法人 西明石オフィス 司法書士 川村鉄平 明石市和坂12番地の2山崎ビル201号室 TEL: 078-962-4077