おはようございます。
明石の司法書士川村です。
前回に引き続き遺言書についてのお話です。
遺言書にはいくつか種類があり、主には、自筆証書遺言と公正証書遺言を目にすることが多いです。
当事務所にご相談に来られる方には、公正証書遺言をお勧めしています。
当事務所で公正証書遺言の作成をお手伝いさせて頂く場合、遺言内容については相談者の方と当事務所が一緒に検討していくので、大きな間違いがおこることはありません。
また公正証書は自筆ではなくて公証人が作成しますので、書き損じもありません。
一方で、自筆証書遺言は、遺言者が自分で書くものです。
費用もかからずに手軽に書くことができますが、内容について専門家に相談せずに作っている場合が多いような気がします。
書籍などで書き方を調べている場合も多いように思いますが、専門家の目線で見ると、もう少し内容を検討できていればよかったと思われる遺言が多々あります。
例えば、財産として不動産と預金がある遺言者が、自分の財産を妻に全て相続させたい場合の遺言を作成するとします。
以下の例を見てく出ださい。
①「遺言者は、妻○○に、明石市○○町○○番○○号の自宅不動産と○○銀行○○支店の預金を相続させる。」
特に問題ないように思いますが、専門家の目線でみると、このような作り方はしません。
もし、全財産を妻に相続させたいのであれば下記のような遺言のほうがよいと思います。
②「遺言者は、妻○○に全財産を相続させる。」
①の遺言の場合、まず、不動産の特定ができているのか疑問が生じます。
不動産は、土地であれば所在と地番、建物であれば所在と家屋番号で特定しておくのが安全です。
また、預金も特定していますが、遺言の効力発生までに新しい口座を作ることも考えられます。
全財産を相続させる意図で財産の特定もしたいということであれば下記のような遺言がよいと思います。
「遺言者は、妻○○に、下記の財産を含む一切の財産を相続させる。
記
①土地
明石市○○町○○番地○○
②建物
明石市○○町○○番○○家屋番号○○
③預金
○○銀行○○支店の普通預金」
せっかく遺言を作成するなら残された家族が困らないように準備できればいいですね。