こんにちは、明石の司法書士川村です。
今年の7月1日から施行された法律で、相続に関するものをご紹介します。
「相続人以外の者の貢献を考慮するための方策・・特別の寄与」
今までは、被相続人(亡くなった方)の長男の妻が、被相続人のために一生懸命に介護を
していたとしても、長男の妻が相続財産からの分配を請求する権利はありませんでした。
相続人ではない長男の妻が財産を受け取るには、被相続人に遺言を残してもらうしかありません。
(改正前でも相続人であれば、寄与分が認められていました。)
そこで相続法の改正で、相続人以外の人の貢献も考慮するための制度がつくられました。
条文の一部(1項のみ)を見てみましょう。
第9章 特別の寄与
第1050条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより
被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、
相続の放棄をした者及び第891条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を
失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、
相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭の支払を請求することができる。
上記のとおり、金銭を請求できるのは「被相続人の親族」となっていますので、
被相続人のお世話をしていた近所の方など他人は請求できませんね。
2項からは次回にご紹介します。