こんにちは、明石市の司法書士の川村です。
先日、とある集まりで成年後見制度について話をする機会をいただきました。
そこでお話した内容を少しご紹介します。
<成年後見人の取消権について>
たとえば、成年後見人がついている認知症のAさんがBさんとした契約は、有効・無効が不確定な行為となります。
成年後見人Cが取消権を行使するとその契約を初めからなかったことにして無効に確定させることができるのです。
しかし、なんでもかんでも取消ができるとなったら取引の相手は困りますので、成年後見人の取消権に対する制限があります。
成年後見人の取消権は、日用品の買い物等の日常生活に関する行為に対しては行使できないと民法に規定があります。
したがって、スーパーでのお買い物などは成年後見人が取り消すことができませんね。
成年後見人の取消権以外にも契約を取り消せる場合があります。
たとえば、詐欺や脅迫によって契約をしてしまった場合は、契約を取り消すことができます。ただし、詐欺や脅迫の立証責任は詐欺・脅迫にあった側が行う必要があります。
その他には、クーリングオフによって契約を取り消すことができる場合もあります。
もし契約の相手に成年後見人がついていたら、契約は本人ではなく成年後見人と契約することが必要です。
高齢者と取引する場合、契約が有効に成立するか不安な場合は、親族を契約の場所に同席させたり、親族から本人について聴き取りをするなどの対応も必要かもしれません。
また、成年後見人がついている場合は、成年後見登記がされるので、契約の相手に成年後見人がついているか確認したいときは、その契約相手に「登記されてないことの証明書」の提出を求めることで成年後見人がついているかを知ることができます。