こんばんは、明石の司法書士川村です。
今日は、仮差押えの登記の抹消について少し解説したいと思います。
まず仮差押えとは、債権者の将来の強制執行を保全するために、債務者の財産の現状を維持するものです。
たとえば、お金を貸している人が、貸したお金が返ってこないから裁判をして判決で借主の不動産を差し押さえようと考えている場合、裁判をしていたら時間がかかります。裁判している間に売られてしまったら困るので、売却できないようにする(保全する)のが仮差押えです。
仮差押えの登記は、裁判所の嘱託によってなされるので、抹消登記も嘱託によらなければいけません。
通常の不動産登記のように当事者からの申請ではないのです。
一番手っ取り早いのは、債権者に保全命令の申立ての取下げをしてもらうことです。
もちろん債権者に取り下げてもらうには、負債は返済するとか、他に担保を差し出すなどしなければ取り下げてはくれないでしょう。
返済の他に、債権の時効消滅はといいますと、仮差押えの登記が入っていると時効中断の効力が継続するので、時効が完成しないようです。何十年も前の債権も、仮差押えの登記が入っているだけで時効が完成しないということです。なんか変な感じがしますが最高裁判決がありますね(最判平成10・11・24)。
取下げてもらう以外にも、事情変更による仮差押命令の取り消しなど、方法はあります。
古い仮差押えの登記を抹消する場合、債権者に相続が発生していたり、債権者が会社の場合はその会社がすでになかったり、仮差押決定正本がなかったり、事件番号がわからなかったりと、どんどん複雑になりますね。
どんな登記にも共通することですが、長期間放置されたものを登記したり抹消したりするのは難易度が高いです(*_*)
早めにご相談くださいね!